
この記事では、儲かっている会社調査ということで「ベイカレント・コンサルティング」の以下について調査した結果をお伝えします。
・会社概要(どんな会社なの?)
・業績(どのくらい儲かっている?)
・強み(なんでこんなに儲かっているの?)
・得られる学び(ビジネスモデルや強みから何を学べる?)
なぜ、儲かっている会社を調査するかというと、「ビジネスを考えるときに参考になるから」。
既に成功している事例を知っておくことは、ビジネスの成功確率を高めますよね。
では早速見ていきましょう!
会社概要(どんな会社なの?)

国内発のコンサルティングファームです。
1998年に藤沢市で経営・業務とITに関するコンサルティング、システムインテグレーション及びアウトソーシングなどを手掛ける「ピーシーワークス」が母体。2006年に現在の名前に変わりました。
創業者が2014年に引退したとき、経営陣は投資ファンドと共にMBO(経営陣による買収)を行い、2016年には上場。
顧客は主に大企業で、保険、証券、IT、通信、製薬、エネルギーなど多岐にわたります。デジタル変革(DX)に積極的で、現在は脱炭素などの新しい分野にも挑戦しています。
業績(どのくらい儲かっているの?)

右肩あたりの高成長を遂げており、直近2024年2月期の売上高は939億円、営業利益率は36.4%と高水準です。
また、高成長に伴い給与も上昇しており、2023年2月期の有価証券報告書によると、ベイカレント・コンサルティングの平均年収は1,117万円(平均年齢は32.1歳)、5年前の2018年2月期と比較して+220万円となっています。
年度 | 平均年収 | 平均年齢 |
2023年2月期 | 1,117万円 | 32.1歳 |
2022年2月期 | 1,106万円 | 32.6歳 |
2021年2月期 | 1,101万円 | 32.9歳 |
2020年2月期 | 1,031万円 | 32.6歳 |
2019年2月期 | 933万円 | 32.0歳 |
2018年2月期 | 898万円 | 32.2歳 |
強み(なんでこんなに儲かっているの?)

以下4つの特徴がうまく連動して強みとなっていると分析しました。
特徴1:デジタル関連案件への注力
ベイカレントは、創業当初からデジタル関連案件に注力してきました。近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性が高まる中、この戦略が奏功し、多くの企業からデジタル化支援のコンサルティング案件を受託しています。
特徴2:ワンプール制の採用

ワンプール制とは、アナリストからパートナーまで、すべてのコンサルタントが同じ「コンサルティング本部」に所属する方式です。通常、多くの会社では業界やサービスごとに部門が分かれており、それぞれの部門でプロジェクトをこなしてキャリアを築くことが普通です。しかし、ベイカレントでは部門が一つにまとまっているため、社内の全プロジェクトの中から自分の興味や志向に合ったプロジェクトを選んでキャリアを形成できます。
特徴3:営業専属部隊の設置
ベイカレントでは他ファームとは異なり、営業専属部隊を設けています。そのため、コンサルタントはセールスミッションを追うことなく、顧客に対してのコンサルワークに集中することが可能です。また、ワンプール制の採用も含めて無駄な政治要素も排除しているため、派閥関係も無く、横のつながりも強固な組織が実現できています。
特徴4:外資系ファームではないメリット
ベイカレントは日本発のファームであり、外資系ファームのように本社へのロイヤルティーを支払う必要がありません。このため、得た収益を人材やその他の重要な分野に再投資し、企業の成長を加速させることができます。また、グローバル本社の方針に左右されることなく、自由に人材を採用し、コストをかけることができます。また、外資系ファームに見られがちなプロモーションの停滞がないため、能力があれば早期にキャリアを進めることが可能です。例えば、30歳でパートナーになった事例もあります。
得られる学び(ビジネスモデルや強みから何を学べる?)

ベイカレントの事例から、私たちが学べる重要なポイントは次の4つだと考えました。
- 長期的ビジョンと戦略の一致
ベイカレントがデジタル関連案件に注力したことは、市場の需要と技術の進化を見据えた戦略です。ビジネスパーソンは市場の動向を把握し、その流れに合わせて企業の核となる戦略を定めることの重要性を理解する必要があります。将来の成長を見込んで投資する領域を選ぶことが、持続可能な成功への鍵です。 - 組織文化と戦略の整合性
ワンプール制や営業専門部隊の設置は、社内の才能を最大限に活用し、外部の圧力に左右されずに集中できる環境を提供しています。これにより、社員が自らのスキルと興味に基づいて業務に取り組めるため、自己実現と会社の目標が同時に達成されます。ビジネスパーソンは組織文化を戦略と一致させることで、社員の能力を引き出し、企業全体の成果を最大化する方法を学ぶべきです。 - 柔軟性と迅速な意思決定
独立した運営を行うことで、ベイカレントは迅速かつ柔軟に意思決定を行えるようになります。外部の制約が少ないことから、新しいチャンスを捉えたり、必要に応じて戦略を修正したりすることが容易です。これは、不確実性が高いビジネス環境において、機敏に対応する能力が競争優位につながることを示しています。 - 全員参加型のキャリアパス提供
ベイカレントでの早期パートナー昇進例は、成果に基づく公正な評価とチャンスの提供が社員のモチベーションを高め、組織全体のパフォーマンス向上に寄与しています。ビジネスパーソンは、全員が成功の機会を持てるようなキャリアパスを設計することの価値を学ぶべきです。
参考資料
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