
この記事では、儲かっている会社調査ということで「オービック」の以下について調査した結果をお伝えします。
・会社概要(どんな会社なの?)
・業績(どのくらい儲かっている?)
・強み(なんでこんなに儲かっているの?)
・得られる学び(ビジネスモデルや強みから何を学べる?)
なぜ、儲かっている会社を調査するかというと、「ビジネスを考えるときに参考になるから」。
既に成功している事例を知っておくことは、ビジネスの成功確率を高めますよね。
では早速見ていきましょう!
会社概要(どんな会社なの?)

1968年設立の独立系のシステムインテグレーター。
主要製品は統合業務ソフトウェア「OBIC7シリーズ」。
システムの導入コンサル、構築、保守・運用まで一貫提供、ネットワーク構築も行っています。
業績(どのくらい儲かっているの?)

毎期成長を続けており、直近の2023年3月期の売上は1,001億円、営業利益624億円と営業利益率は驚異の62.3%となっています。
強み(なんでこんなに儲かっているの?)

この4点が特に影響しています。
- 直販モデルの採用
- 独自のERPパッケージ「OBIC7」の提供
- 持続的なビジネスモデル
- 新卒採用による企業文化の維持
直販モデルの採用
オービックはERPパッケージを直接販売し、導入から保守サポートまでを一貫して提供しています。
このモデルにより、中間コストが削減され、顧客との直接的な関係が保たれます。
これにより、顧客のニーズに迅速に対応し、改善要望を直接受け取ることが可能となります。
また、高い顧客満足度を実現し、長期的な顧客関係を構築することができるため、収益性が高まります。
独自のERPパッケージ「OBIC7」の提供
オービックの主力製品であるOBIC7は、国内の中堅企業をターゲットにしており、この市場セグメントでは競合が限られています。
さらに、ERPパッケージは高い初期投資が必要とされる一方で、一度導入されると切り替えのハードルが高くなるため、安定した収益源となります。
持続的なビジネスモデル
オービックはオファリング型ビジネスを展開しており、既存のERPパッケージを基に、不足している機能があればシステム開発を提案しています。
これにより、既存資産を有効活用しつつ、新たなビジネスチャンスを生み出しています。
新卒採用による企業文化の維持
オービックは中途採用を行わず、新卒採用のみによって社員を育成しています。
これにより、企業文化が一貫して保たれ、社員間の協調と教育が促進されます。
新卒から長期にわたって社内で育てることで、社員の製品理解や提案力が向上し、これが高い業務効率と顧客満足度に直結しています。
強さの源泉(なぜこのような強みを持てるようになったの?)

オービックがその強みを持つことができた理由は、創業者野田順弘氏の戦略的なビジョンと、独自のビジネスモデルの徹底によるものです。
以下にその主要な要因をまとめていきますね。
- 創業者のビジョンと初期戦略
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1968年に設立されたオービックは、創業者の野田氏による中小企業への支援という強いビジョンに基づいています。野田氏は、ITサービスを一体的に提供することで、中小企業の経営合理化と事務合理化に貢献しようと考えました。これにより、中小企業が専門スタッフを持たない中で、一貫したサービス提供が可能となりました。
- リース方式の導入
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オリックスとの提携により、リース方式を導入したことで、中小企業にとっての初期投資の負担が軽減されました。これは中小企業が最新のIT技術を取り入れやすくなる一因となり、オービックの製品導入の障壁を大幅に下げることに成功しました。
- 新卒採用による社員育成
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1973年の中途採用者の独立騒動を経て、新卒採用に特化する方針を固めました。これにより、企業文化の維持と社員の長期的な育成が可能となり、高い技術力と安定した人材基盤を築くことができました。
- ソフトウェア開発への重点
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オービックは、ハードウェアよりもソフトウェアの開発に重点を置くことで、顧客の個別ニーズに応じた高付加価値の提供を実現しました。特に業界特有のニーズに応じたソフトウェア開発は、オービックの競争力の源泉となりました。
- 特定業界向けのシステム開発
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特定業界に特化したシステム開発を行うことで、オービックは深い業界知識と技術的な専門性を組み合わせ、競争優位を築きました。これにより、ニッチながら確固たる市場を形成しました。
- 「OBIC7シリーズ」の提供開始
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1997年のOBIC7シリーズの開始は、中堅企業向けERP市場におけるオービックの地位を確固たるものにしました。これにより、汎用的なITニーズを満たしつつ、顧客のシステム導入コストを削減することができました。
得られる学び(ビジネスモデルや強みから何を学べる?)

オービックの成功事例から学べるポイントは多岐に渡りますが、特に以下の要素は重要かなと思います。
1. 長期的なビジョンの重要性
創業者の野田順弘氏が示したように、長期的なビジョンを持ち、それに沿って一貫性を持って事業を運営することの重要性です。あなたのビジネスやキャリアにおいても、長期的な目標を設定し、それに向かって地道に努力を積み重ねることが成功につながります。
2. 独自性とニッチ市場の開拓
オービックが特定業界に特化したソリューションを開発したことで市場での強みを築くことができました。あなた自身のスキルセットやビジネスで、競合と差別化できる独自の価値を提供することが、市場で成功するための鍵となります。
3. 顧客ニーズへの深い理解と対応
顧客の実際のニーズに深く応じることで、オービックは高い顧客満足度と長期的な関係を築いています。これは、どの業界においても重要な要素で、顧客の期待を超えるサービスを提供することが、リピートビジネスや良好な口コミにつながります。
4. 教育と育成の投資
新卒採用に重点を置き、社内で徹底的に育成を行うことで、オービックは企業文化を維持し、高い業務効率を実現しています。あなたのビジネスやチームにおいても、教育と育成に投資することで、長期的に見て組織の競争力を高めることができます。
5. 柔軟な販売戦略と革新
リース方式の導入やOBIC7のような製品開発を通じて、オービックは市場の変化に柔軟に対応してきました。常に市場の動向を注視し、必要に応じてビジネスモデルや戦略を適応させる柔軟性を持つことが、変化の激しい現代のビジネス環境において特に重要です。
参考資料
この投稿を作るにあたり、以下が大変参考になりました。
この場を借りてお礼申し上げます。